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声帯麻痺(反回神経麻痺)の鍼灸治療

  • 執筆者の写真: shirouchi
    shirouchi
  • 4月29日
  • 読了時間: 3分

50代男性

昨年5月に、急に意識を失い救急搬送される。脳の硬膜動静脈瘻オペで気管挿管して以降、声帯麻痺となり片側の声帯が麻痺しているため、常に嗄声の状態で声が出しづらい。

先日、痰がらみと咳で症例紹介した患者様であるが、痰がらみや咳・鼻水は症状は2回の治療でほぼ改善して現在は殆ど出ていない。

そのため、治療方針を声帯麻痺の方にシフトする事として、鍼と灸の治療から電気パルスを加えて神経にアプローチする。


中医学的診察

緩遅脈尺部沈 舌質淡紅

日常生活においては、睡眠も充分に取れており排便排尿の異常もなく、食事も問題ない。

以前は舌が白く身体の冷えもあったが、それも解消し冷えはない。


今回の声帯麻痺は、器質的な疾患であるため、経絡弁証を主に治療する事とする。

咽喉部は、主に手太陰肺経、足少陰腎経の経絡が通ります。

◎肺の経絡は、胃から始まり大腸に降りて上に上がり横隔膜を貫いて両方の肺、心臓を通り気管を通って、鎖骨の下から腕内側へ母指先端で大腸の経絡と繋がります。

◎腎の経絡は、足の小趾に始まり足底を通り足の内果を回りそのまま、下肢内側を上がっていきます。尾骨部から入りお臍の辺りで腎へ連絡して膀胱を絡みます。そのまま腹部傍らを上がり、横隔膜を貫いて心臓に連絡し、肺を通り気管を循り舌根に終わります。


そのため肺と腎は気管と繋がり呼吸と関わりが深く、気管と連絡しているこの二つの経絡を主に使い治療します。

中医学では、肺は宣発(呼気)粛降(吸気)、腎は納気(体内で更に下に送るための吸気)により呼吸活動が行われています。

そして、身体の全面中心を通る任脈も加えます。


◎治療穴

百会、風地、上廉泉、天突、膻中、大椎、肺兪、腎兪、合谷、尺沢、太渓、など取ります。

そのまま、電気パルスにて10分間置鍼します。


効果は、直後から声が太くなり変化がありました。効果は2日ほど続いて元に戻ってしまいましたが、今回また同様の治療を行い、やはり直後から変化が見られました。早く回復できる様現在は、週2回治療で継続中です。


当院では、様々なお辛い症状に対して、

西洋医学と中医学の視点で治療を行います。

難病と言われる疾患に対しても、病名に対しての治療法はありませんが、さまざまな症状に対して鍼灸で治療する事は可能です。

お辛い症状がありましたら是非ご相談ください。

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