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嗅覚障害 3年 鍼灸治療

執筆者の写真: shirouchi
shirouchi
20 時間前
読了時間: 3分

3年前よりの嗅覚障害

69歳女性

初診 2026/5/20

もともとは肘骨折後尺骨神経麻痺にて、ご来院頂いた患者様ですが、嗅覚障害で、最近1週間くらい、臭いが分からなくなってしまった。


◎問診

3年前より匂いが分かりづらくなり、嗅覚に異常があることに気になり出したが、今まで病院へ受診はしていない。

お酢の匂いは少しわかる。だしの匂い、コーヒーの匂いも分からない。味覚は異常なし。

また、2年前より11月になると鼻詰まりが始まり2月まで続くというのが続いている。

昨年1月には帯状疱疹を患い、病院へ受診して治癒。以降、1年前より漢方薬局にて胃腸を整える薬を処方してもらい毎日飲んでいる。

食欲あり、便異常なし。尿は近い、夜間尿1回。睡眠は多夢で目覚めやすい。2020年~2025年まで気分障害もあり、朝は5時に目が覚めてしまう。冷えは自覚ないが冷えていると言われる事がある。手足は温かく自覚としては暑がりでのぼせも感じる。動悸無し。多汗

月経無、流産1回。月経の問題無し。

舌脈診

舌尖紅苔薄白やや黄 滑脈


◎弁証

本:心腎不交

標:肺気不宣


◎取穴

四神総 百会 上星 印堂 迎香 鼻通穴

下関、四関穴 沢下 膻中 中脘 関元 

肺兪 心兪 膈兪 脾兪 腎兪

足三里 豊隆 太渓 


嗅覚障害は 3年に及んでおり、慢性であるが、経緯を確認すると、冬時期に鼻詰まりが始まり、帯状疱疹にかかったりしている。

中医学に於いて、「肺は鼻に開竅する」と言われており、鼻と肺は繋がっている。

肺は、身体を護るための衞気という気を主り、肺が弱くなると身体のバリヤ機能が落ちて風邪をひきやすくなる。帯状疱疹も同じで、免疫力が低下することで病邪に侵襲されてしまう。

また、肺は水の上源、貯痰の器と言われて、水分代謝に深く関わり、肺が弱くなり失調すると浮腫みやすくなる。これを痰湿と言い、滑らかな脈が出てくる。

鼻は肺と繋がり鼻から嗅ぐ匂いは肺の呼吸と深く関係する。

一方で、慢性的な嗅覚障害は、身体を消耗させて腎気や腎陰を消耗し腎虚を招き、年齢と共に腎精は消耗する。

また腎気は、納気と言って深く呼吸を吸い込む力をバックアップしているため呼吸とも関係する。他、排泄の際の開け閉めの力も調節しているため、腎気が弱くなると、尿漏れや頻尿が起こり、更に腎陽が弱くなると冷えや夜間尿がおこる。


腎臓と心臓は相関関係であり、腎陰により心臓の陽気が、熱化しない様に冷まし調節しているが、腎陰が足りなくなり、心陽を抑えられなくなると、心陽は亢進して不眠や不安、動悸などを引き起こす。

また中医学に於いて、脳は「髄の海」とも呼ばれ、腎精が充実して髄を生じ、脳を滋養すると言われている。

心臓は、心神と言われて脳と精神と深く関係するため、中医学的診断として心臓と腎臓を失調すると脳に影響が大きく、不眠や精神不安なども起こしやすい。


つまり、今回の症例の治療ポイントは、肺気を補い経絡の呼吸の通りをよくして身体の抵抗力を上げること。もう一つは、腎を補い、心を安交通させ心神を安定させる事。


この嗅覚障害は、8回ほど治療して完全に匂いが戻り、現在も安定している。

今はもとより尺骨神経麻痺の治療を継続して週2回治療している。






 
 
 

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