top of page

右片側顔面痙攣の鍼灸治療

  • 執筆者の写真: shirouchi
    shirouchi
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

40代女性

初診 令和7年12月29日


3日前より、右の鼻の横が痙攣する。

病院受診して脳CTを撮ったが異常なし。

ドクターより痙攣発症して3日目のため診断するには判断できない。1ヶ月しても、治らなければ脳のMRIを撮りましょうと言われた。

朝方特に痙攣が強く夕方落ち着く。しかし継続して治らない。不安で当院ホームページを探して来院される。


この病気、脳血管蛇行や脳腫瘍等が、顔面神経に触れる事で痙攣を起こしたり、脳血管に異常がなく精神的緊張や自律神経失調などでも起こることもあり、西洋医学的検査で異常がないと原因が分からない事が多い。


◎中医学的診察

問診

3日前、子供がインフルエンザで、隣町まで自転車で走った。その日は寒く風が強い日で、顔に冷たい風を受けながら自転車をこいだ。

夜家に戻ったら、右鼻の横あたりがピクピク動いていたが一時的なものと思い気にしなかった。しかし朝起きても痙攣が治らず、むしろ痙攣が強く上に突き上げる様にヒクヒクしている。朝方小刻みに痙攣が強く、夕方になると弱まる。

以前に自身の母も顔面痙攣の既往があり、脳のOPEを行い改善した経緯があり、自分も同じでないかと不安になる。確かに遺伝による脳血管の異常も考えられるが脳CTでは異常なく現状分からない。

また2年前より不眠にて、導眠剤を服用している。今月の22日より薬の量を増やした。睡眠剤は、直接脳に影響するため薬剤性の可能性も否めない。最近は疲れで疲労感もあった。

いろいろな要因は考えられるが、おそらく発症前の冷たい風を長い時間顔に受けた事がきっかけになっているだろう。

身体の正気が虚弱になっていると、身体を守る衛気が虚弱になり、身体を外邪から守れず、寒邪に侵入されやすい。

発症前に顔に冷たい風を受けている。冷たい風は、寒邪であり風寒の邪気が考えられる。

そして顔面部は、主に足陽明胃経絡、手陽明大腸経絡が走行しており、痙攣の部位とも一致する。

舌質淡苔薄白 脈沈弱

手足冷えあり


◎弁証

寒凝阻絡(陽明経絡)

身体の正気虚弱状態にて、顔面部に冷たい風を長時間受けた事により、寒邪が陽明絡脈を阻み、気血巡らず筋が引き攣り痙攣を起こした。

朝方は、陽気が少ないため、より症状が強く出やすく夕方は身体に陽気が巡るため出にくくなる。


◎治法

温経散寒 通絡熄風(陽明経絡)


◎経穴

百会、頭維、大椎、至陽、風府、風池、

翳風、下関、顴髎、迎香、鼻通穴、地倉

合谷、曲池、肺兪、腎兪、気海兪、大腸兪

中脘、天枢、気海、足三里、三陰交


風池、風府、大椎、至陽は灸頭針にて温める。

合谷、曲池、瀉法。足三里は灸頭針


1回目治療後、30分くらい小刻みに痙攣していたが、翌日夕方には痙攣は治まり、以降3日経過しても痙攣は出ていない。


年明け1月6日に来院された時に、第一声が

「先生。痙攣が治りました!」と喜ばしく話してくれた。

この病気は、再発もあるため油断できないが、とりあえず良かった。

中医学的には、西洋医学にはない視点で物事をみて判断するため、諦めていた症状も良い方向に改善されて良かった。

これをきっかけに、本人自身も薬に頼らず、なるべく自身の生活態度を改めて、気をつけているという。自身の身体と向き合うきっかけになった事は良かったと思う。






 
 
 

コメント


bottom of page