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膝内側部水腫と痛みの鍼灸治療

  • 執筆者の写真: shirouchi
    shirouchi
  • 6月2日
  • 読了時間: 2分

70代女性

左膝蓋骨内側下部に水腫が出来て、痛みは強くないが押すと痛みがある。

現在整形外科にて、水が溜まっているとの事で、何ヶ月か超音波治療を継続しているが、

なかなか治らず、本日は鍼灸治療を行いました。


◎中医学的診察


舌燥苔黄膩 脈弦やや数

中医学において、“通ざらば即ち痛む〟という言葉があるが、膝内側部の気血が巡らず滞ってしまい水腫となったため痛みがある。


今回の局所治療は、局所の気血巡りを良くして、水湿が流れ水腫を小さくする事により痛みを無くしていく事を目的とする。


今回の水腫は、経絡からすると足太陰脾経の陰陵泉穴の辺りに相当する。

中医学における脾臓は、生痰の源と言われ

、脾臓を病むと痰湿(水分の滞り)を生みやすい。ツボの位置も合穴にて経絡が集まり深く入る所である。この場所に水腫が出来るという事は、中医学における脾臓に問題があるかもしれない。脾臓は、消化運搬を担っており、五臓六腑へ食べ物を吸収して栄養を行き渡らせる大切な役割がある。


脈は弦脈でストレスにより肝臓を病み、

舌診では、苔が厚く黄色で湿熱が考えられる。肝臓を病む事で脾臓に影響し消化器系が弱っている事が想像できる。また湿も滞ると熱を生む。

先ずは脾胃を整えて、気血の巡りを良くする事を考える。


◎治療

今回は、足陽明胃経の合水穴である足三里穴、去痰のツボである豊隆穴、足の三陰経絡の交会穴である三陰交穴を用いる。

また足厥陰肝経の兪土穴である太衝穴。このツボは血の関であり血の巡りを調整し気の疏泄も調整する。合わせて手陽明大腸経の原穴である合谷穴。こちらは、気の関であり、気の巡りを調整する。この2穴を合わせて四関穴と呼び、

気血の巡り疏通を調整する働きがある。


そして局所治療は、水腫を囲う様に斜めに鍼を打っていく。針先は、水腫の下に潜らせる様にして打つ。それと同時に針と針の間にはお灸を据える。

お腹には、天枢穴、中脘穴、気海穴を用いて

中焦の気血を補い便通を整える。


本日の治療は以上であるが、今後の経過をまた見ていきたい。



 
 
 

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