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辛い咳・痰絡みの鍼灸治療

  • 執筆者の写真: shirouchi
    shirouchi
  • 4月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:4月10日

65歳 男性

現病歴 反回神経麻痺

2週間前より咳と痰絡みがあり、夜も咳と痰詰まりで起きてしまう。痰が吐き出せると楽になる。水分を取る事で緩解する。

症状は天気にも左右され、雨が降ると強くなる傾向にある。発症原因を聞いても、ご本人は思いあたる事はなく2週間ほど前より、この様な症状が続いている。

その頃の天候は、3月末から4月初旬で寒い日も続いた。

また、もとより反回神経麻痺による声帯麻痺があり慢性的な咽喉部乾燥と咽頭部炎症を起こしやすい。


痰は、そもそも細菌・ウイルスやほこりなど異物から体を守る為、気道からムチン粘液が分泌され体外へ排出しようと咳を起こし働く。

普段より白や透明のサラサラした粘液は出ているが、細菌やウイルスに感染されると、黄色や緑色の痰となる。


中医学的診察

滑脈 舌淡苔白薄


中医学において、痰は無形の痰、有形の痰に分けて考えられ、有形の痰はまさに目に見える痰であり、口から出る痰である。また無形の痰は目に見えない体内に存在する痰である。

無形の痰は、痰湿と言われて体内水分が停滞し巡りが悪い状態を現し、浮腫み、身体が重だるい、めまい、耳鳴り、頭の頭重痛、など様々な症状が現れたりする。

原因は、水分の摂りすぎ、甘いもの摂りすぎや食事や飲酒による影響もある。また環境が雨や湿度が高く、身体を守る衛気力が低下していると、外邪(湿邪・風邪、寒邪)などに侵され痰湿になる事もある。


今回の痰は有形の痰である。外邪(ウイルスや細菌)から身体を守る為に、咽頭部は免疫反応による炎症を起こし、痰絡み咳をする事で外に排出しようとしている。


◎中医学的治療方

中医学において、気道は主に肺の経絡であり、

肺の経絡を疏通する必要がある。

その為、気の巡りを良くするツボも一緒に取る。そして去痰去湿通経、扶正去邪が主な治療方針となる。

また舌所見から体内に冷えもある為お灸も行い免疫力を高める。おそらく天候を考えると寒邪の影響も考えられる。


ツボは、合谷、列欠、尺沢、天突、膻中、気海、定喘、大椎、肺兪、腎兪、豊隆、陰陵泉などのツボを取る。


1回目治療した当日は、とても楽だったとの事。ただ日が経つとやはり症状も戻ってきてしまう。今回治療3回目であるが、咳と痰絡み症状は、日に日に症状は楽になっている。




 
 
 

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