
腰全体張った痛みの鍼灸治療
- shirouchi
- 5月24日
- 読了時間: 2分
80代女性
もともと、脇腹の痛み肋間神経痛で来院され、他にも肩や腕の痛み、前腕の突っ張り、下肢の痺れ痛み、浮腫み、咳痰、難聴など様々な症状で治療している。
現在、週2回の鍼灸治療で身体の痛みも大分良くなってきて元気になった。
しかし先日、町会のお祭りの準備でお手伝いして重たいものを持って腰を痛めてしまったらしい。今日は、腰回り全体が張って痛い。
もとより脊柱管狭窄症や坐骨神経痛も関係しているが、問診から昨日の重たいものを持ったりした事の要因が大きいと思われる。
◎治療
中医学的診察
実脈 燥舌苔厚やや紫舌
◯望診
姿勢から頭部前方偏移、胸椎後弯、腰椎前弯
腰部脊柱起立筋の緊張が強い
◯切診
腰回りは触診すると冷えがある。胸腰椎移行部からした脊柱起立筋の緊張も強く特に右側が張っていて硬い。
中医学において、腰は腎の府という。
腎は、精を貯蔵して骨髄を主る。また精髄は脳を栄養しているため脳は髄海と呼ばれている。
年齢と共に腎精は不足して、高齢になると腰や膝の骨も弱くなる。また髄海も栄養されなくなり髪の毛は白髪になり忘れっぽいなど健忘症状が出てくる。
歳をとると脊柱管狭窄症などになりやすいのは骨が弱くなる事で身体を支える力も弱くなるためである。
80歳を過ぎた高齢のため、容易に腰を痛めやすい。
◯治療
舌脈から、気血水の巡り悪く痰湿もある。脈は強く痛みも関係している。
腰部にある腎兪、志室、命門などとり、
足太陽膀胱経絡の疏通のために、委中穴を取る。また腰回りは冷えているため、お灸も同時に行う。
治療しながら、患者様がすごくお灸が気持ちがいいと漏らしていた。
これは喜温であり身体に冷えがあるためである。治療後は来る前とは違い元気になって、
今日は歩いて帰ろうかしらと喜んでいた。
腰痛一つとっても、その腰痛の症状により様々なアプローチがある。西洋医学的な視点も重要だが、中医学的に診察を行いツボを選択して治療する事で痛みが楽になる事も多い。
普段からいろいろな所が痛くなるため、あまり無理しないよう助言してその日の治療は終わった。
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