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痙性斜頸(頚部ジストニア)の鍼灸治療

執筆者の写真: shirouchishirouchi

更新日:12 時間前


50代男性

5年前より発症。初めは冬になって首が引きつれるが、寒さも緩和して春になると治ってしまったので、気にせずにいた。

そして次の冬が来て寒くなると、また首が引きつれて、自分の意思とは関係なく首に力が入ってしまい、自分の意思とは関係なく首の筋肉が収縮して右を向いて左を向く事ができない。病院で調べても原因が分からず、痙性斜頸(頚部ジストニア)と診断される。

筋弛緩薬、抗てんかん薬など薬を処方された。


今まで整形外科、ボトックス治療や、整体、腱引き、鍼灸と様々な治療を試したが、首の痙性が治ることはなく、ホームページをみて当院に来られた。


まず西洋医学的には、原因が分かっておらず、大脳基底核や脳の皮質運動野が関与していると思われるがはっきりしておらず脳に問題があると考えられています。


実際にこの病気が発症した時は、会社を経営してとても忙しい時期で、ストレスも多かったとの事。

この病気は、過度の疲労やストレスや脳の障害などがきっかけとして発症する事が多いようです。1月より治療開始して現在も継続中です。


治療法として、

①脳に対して頭部のツボを利用して電気パルス鍼を行い、頭部にアプローチします。

②頚部の緊張と姿勢異常に対して、局所に鍼を行い、それと共に自律神経にもアプローチして筋緊張を和らげます。

③中医学的診察にて、この病気の特徴である筋肉の痙性は、肝と関係が深く治療の軸は肝の治療として、後はご本人の身体の全身診察を行い、中医学的四診にて治療します。


一つ、痙性が出やすい条件としてストレスや緊張があります。このトリガーであるものを調整できれば、症状も緩和するだろうと考え行います。

中医学的診察

脈沈弱 舌淡苔白膩

背部脊柱起立筋の緊張強く、特に胸椎9番10番辺りの肝兪辺りは張りが強い。

足の冷えが強いが、あまり自覚はなく、感覚も鈍い。

メンタルは、仕事によるストレスはあり、お酒で解消する事が多い。自身でもお酒の量を減らしたいがなかなか出来ずにいる。

便は、軟便から下痢が多く、疲れやすさもある。


肝鬱気滞から肝脾不和と考える。

百会、合谷、内関、三陰交、太衝、足三里などの経穴を使う。

背中は自律神経節にアプローチするため、華佗夾脊穴を用いて治療する。

また、頚部や肩にも鍼を行い緊張を和らげる。

足の方は、足三里にお灸も使い温陽をかけて、気血の巡りをよくする。

全身治療を行い、治療中も自律神経に強く反応するため副交感神経が働き、とても眠くなる。


治療後は、頚部の緊張も緩和されて左に向きやすくなっている。足の冷えも治療中に足が暖かくなる感覚があり、頚部の治療効果が1週間持続したこともあるため鍼灸が有効である事がわかる。この病気は、難しい病気で根気良く治療が必要のため、患者様にも日常生活においての睡眠やストレス緩和など、いろいろとご協力いただき現在も、治療効果など確認しながら治療を継続している。

また、今後も経過をお知らせしたい。











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