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コロナワクチン後遺症の鍼灸治療

  • 執筆者の写真: shirouchi
    shirouchi
  • 6月14日
  • 読了時間: 3分

更新日:6月14日

50代女性


令和3年9月コロナワクチン(モデルナ)を打って直後より喉に違和感を感じて痒みが耳、首筋に生じた。続いて胸元も痒くなり真っ赤に腫れ出しアナフィラキシーを起こした。


以降、様々な全身症状が起こり、強い倦怠感、強い眠気に未だに昼間も寝たきりの生活となっている。

頭部は、ブレインフォグにより、健忘、ふらつき、強い眠気。目は眼精疲労と痛み、ドライアイで、光が眩しく眼瞼下垂し、知覚過敏症にて嗅覚味覚異常があり、食物アレルギー、舌、口腔内乾燥、舌痛、口内炎、耳鳴り、全身症状としては動悸、蕁麻疹、火照り、平衡感覚異常によりふらつきと歩行異常、上肢痺れ痛み、下腿の痛み、消化器症状では、便秘など様々である。全ての治療は難しく、先ずは身体の状態を中医学的に捉えて全身的に根本治療を行う。


中医学的診察


望診/皮膚乾燥、蕁麻疹による皮膚紅点あり

舌燥尖紅苔少

問診/上記症状

切診/脈弦数尺部沈

弁証/肝陽上亢、血熱

治法/平肝潜陽 清熱涼血


中医学において身体の状態を把握するため、臓腑弁証や気血津液弁証、経絡弁証など様々な証たてがあるが、先ずは八綱弁証といい、八つの項目からお大きく分けて証をたて、治療方針を決める。


◎八綱弁証(表裏寒熱虚実陰陽)


表裏というのは、病が外感病(外邪)による急性期病か慢性病かをまず分ける。

今回は、病はもとはワクチンが外から入ってきて身体を侵した外邪による外感病であるが、病は慢性化し身体の深く入っており裏証である。

そして寒熱では、全身火照り、舌尖紅く、脈沈弦数尺部なし、口の乾き、便秘、熱感などから熱証。

虚実では、脈や頭痛や蕁麻疹による全身の痒み紅疹から実証と捉え、陰陽では熱証が強く陽証である。

以上の事から裏熱実である。

また、全身の強い熱痒み、身体の火照りは、血分に熱が入り血熱となり全身に蕁麻疹を起こしている。蕁麻疹による紅点が喉から胸元、頭部から首、体幹、四肢にわたり全身に起こっている。

長期の慢性的な臥床生活により、気血消耗し気虚による強い倦怠感と嗜眠(睡眠をとっても眠たい)、陰液を消耗し皮膚乾燥、口や咽喉の渇き、ドライアイなどもあり、肝陽は亢進するため頭部の熱症状が強く、頭頂部痛なども起きている。様々な臓腑に影響があるが、現状先ずは全身の熱を冷ます事が基本となる。


◎取穴

百会、風池、風府、大椎、脳三針、

攅竹、太陽、下関、上廉泉、膻中、

陰交、水分、天枢、肩髃、治痒穴、合谷、曲池、心兪、膈兪、肝兪、足三里、上巨虚、三陰交、百蟲窩、太衝


治療後は、ご本人も痒みが楽になった!と仰っており、少量であるが唾液や涙による潤いも出てきた。また現在、週3回治療にて、便秘も改善傾向である。全身に陰液が巡り、熱を冷まし排尿排便にて熱を外に出す事で、清熱して様々な症状の改善にいたる。ご本人の治療意欲も高く、積極的治療にて早く改善してもらいたい。


この様な、コロナワクチンやコロナ後遺症に対しても、中医学的な鍼灸治療にて様々な症状に有効である。是非お悩みの方は、ご相談いただきたい。


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